YWTはふりかえりの手法の一つで、ひとりのふりかえりにも、チームのふりかえりにも使うことができる。私のチームだと、Zoomで司会の人が画面共有しながら
- 個人ワークでY(やったこと)を書く時間をとってから共有
- 共有されたYを見ながらW(わかったこと)を書く時間をとって共有
- 共有されたYとWを見ながらT(次にやること)を書く時間をとって共有
という手順でやっている。
チームでYWTをするとき、他の人が出したYに絡めて他の人がWを出すことがある。元になったチームのタスクを一緒にやっていた人が自分がやる中で得た気付きを出すこともあるし、ふりかえりの場で初めて聞いた瞬間に得た気付きを出すこともある。これらはメンバー間の協調を表面化させるとても良い事例ではあるが、タイトルに書いた「チームの協調を増やす」はこの話ではない。
チームふりかえりのありがちな課題として「話題を出しにくい」がある。YWTは出来事ベースでYを出すことから始めるので、別のふりかえり手法のKPT1と比べると、最初の一歩の敷居が低く、対象期間にやったこと、あったことをまずYとして出し、YからW、WからTと、順に連想される事を出していけば良くて「話題を出しにくい」という状況になりにくい。さらにその特性を伸ばす手法として、YWTのWの出しやすさをさらに向上したYOTという手法が最近開発されている。
一方、私のチームではYWTのTを拡張して、Tのターンでは「次にやること」だけじゃなく、「次に知りたい」も書いて良いことにしている。「次やる」だと、前向きな話題ではあるけど、書いたからには(自分が主導して)やらねばならないという若干重ための話題になってしまうことがある。そこを「興味を持ったので教えて欲しい」という自分の希望を周囲に出すのもありとすることで、やらねばという思いで話題を出しにくくならないようにしている。
私のチームではふりかえりとは別のチームの定例イベントとして「Learning Session」の時間を毎週取っていて、あまりかしこまった感じじゃなく、チームで雑に作り上げる場として運営している。毎回なんらかのトピックを決めてチームで集まり、誰かが取り組んだ案件の詳細を共有してもらったり、課題の詳細を共有した上で対処をみんなで議論したり、モブプロしたりと、自由な学びの場としている。
「次に知りたい」は他の人の出した話題について知りたいなーというときに、気になった話題の付箋のところに貼っておき、ふりかえりの最後にそこからLearning Sessionのトピックの種を拾い上げる。そうすることで、次のLearning Sessionで取り上げてチームで協調して学びを深めることに繋がっている。
ふりかえり単体で閉じた話ではないけど、ふりかえりとLearning Sessionを繋げることで、チームの協調を増やす効果が得られているという紹介でした。
チームのふりかえり、少し前にYWTのTを「次やる」から「次知りたいこと、話したいこと」と再設定して、Learning Sessionのトピックに繋げてる
— Yoichi Nakayama (@yoichi22) 2022年4月9日
「次やる」だったとき、ひとりで頑張る(あるいは頑張れない)になりがちだったのが、チームで考えるワンクッション置くことでチーム事として頑張らずに進める傾向が出てきた気がしてる
— Yoichi Nakayama (@yoichi22) 2022年4月9日
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継続したいこと(Keep)、課題(Problem)をそれぞれ出して、それらを元に次のアクション(Try)を出すふりかえりの手法。↩