某弊社内でOSS Gateワークショップがあり、サポーターとして参加しました。今回開催前に同じチームの方から「サポーターやらない?って誘われたけどサポーターって何するの?」と聞かれて「ここ見て」と答えられなかった1ので、今後のため、自分がサポーターとしてやっていることをまとめてみます。
やったことを書き出すサポート
ワークショップの前半では、ビギナーが選んだ対象OSSをメモを取りながら動かし、メモを見返してフィードバックポイントを見つけます。
ビギナーがOSSを動かしていく横でサポーターは
- 今やってること後で思い出せないかも。メモしとかなくてよいですか?→些細なことでもメモ
- うーん困ったね。ひとまずここで困ったとメモしときましょうか?→「△△の意味がわからず困ってる」とメモ
- 今読みはじめたページのURL、ひとまず貼り付けといたらどうでしょう?→「〇〇を読み始める」とメモ
などと問いかけをして、ビギナーが詳細なメモを残すサポートをします。特に、ビギナーの手が止まった所、飛躍が生じた所は忘れずメモしてもらうとよいと思います。
手を動かしているビギナー本人から一歩離れた隣で見ていると、本人が見落としてることに意外と気付けちゃいます。なのでサポートするにあたって対象とするOSSや利用技術についての前提知識はなくても大丈夫。
フィードバックすることを選ぶサポート
メモを見てやったことをふりかえりつつ、ビギナーがフィードバックポイントを探すサポートをします。
OSSを動かすフェーズで詰まった所に改善のヒントが見つかることが多いので、まずはそういう所に注目します。ビギナーがフィードバックポイントを見つけたら、それを改善する提案は開発者は受け取って嬉しいものだよと伝えるとよいでしょう。ビギナーが一度にたくさんのことをやろうとしていたり、焦点がずれてそうだなと思ったら、適切に絞り込んでいくのをサポートするとよいと思います。
ここは割とサポーターの過去のOSS開発への参加経験が効いてくる所かもしれません。2
伝えることを整理するサポート
改善提案を開発元にフィードバックするフェーズでは、段階を踏んでフィードバックする内容を整理していきます。
ビギナー自身は頭の中に持っているが省略していたり曖昧になっている部分を、文章の中に明示的に入れていくサポートをするのがサポーターの役割です。ワークショップの前半で見たり聞いたりしたことを一旦忘れたとしてビギナーが書いた文章だけを見て、
- どの部分へのフィードバックか読み取れるかな?
- うまくいかなかった時、期待してた動作は何だっけ?
- ここ、こういう風にも読めちゃいませんかね?
といった問いかけをして、受け手であるOSS開発者に伝わるよう、ビギナーが情報を整理していくサポートをします。
優しく背中を押す
伝えるべき情報が整理できたら、フィードバックを出すビギナーの背中を優しく押してあげましょう。
ワークショップが時間切れになって、フィードバックを出すまで到達しないこともありますが、大丈夫です。むしろ時間切れになったほうがビギナー自らすすめてもらうことになってよい場合もあるという実例を前に書いてました。
ワークショップが終わった後、出したフィードバックに関してメンテナとやりとりしたり、継続的にOSSの開発に参加していくのはビギナーなので、サポーターが貢献できるのはここまでです。
サポーターになるには
ここまで読んで、私もできるかもと思った方で、OSSに対して何らかのフィードバックをした経験がある方は、是非サポーターとしてワークショップに参加してみてください。
できるかも、でもまだOSSのフィードバック経験が無いという人は是非ビギナーとしてワークショップに参加して、OSSのフィードバックの面白さをまずは味わってください。楽しいですよ!
-
サポーターが意識していることはsatoryu さんのブログ記事が参考になるので紹介しました。↩
-
今回他のサポーターの行動でいいなと思ったのは、対象OSSの既存issueをビギナーと一緒に眺めて、フィードバックの敷居はそれほど高くないことを伝えていたこと。初参加の方だったのですがさすが。↩