鯨飲馬食

いろいろつまみ食いで勉強したことのメモ書き

対話を効果的にするには、まず自身に目を向ける

「ダイアローグ 価値を生み出す組織に変わる対話の技術」を読んだ。対話を効果的にするためには傾聴、すなわち相手の話に耳を傾けることが大事ということはよく聞くが、その前に、まずは自身に目を向けるステップがあるとより効果的になるということを知れた。

自分の経験を通して形成されたメンタルモデルに当てはまらない何かとの遭遇は驚き、違和感といった反応を生じ、それが悪い方に働くと、相手の話を聴くことができなくなってしまう。逆にこの驚きや違和感を、不都合ではなく歓迎すべきものと見做せると、新しい価値を生み出す対話へと繋がっていく。

まずは自分の考えの背後にある経験、感情、価値観に目を向けることで、自分自身と自分の考えの間に距離をとり、自分の考えとその背景を客観的に捉え直す(メタ認知)。その上で、相手の考えを一旦受け止め(評価判断の保留)、相手の考えの背後にある経験、感情、価値観に目を向け、問いかけ、相手のことを知っていく(傾聴)。

これ、実際やってみると、意外なものが自分の考えの背後にあるのに気付いたり、自信持って唱えていたはずの自分の意見を考え直した方が良いと気付けたり、相手の考えを聞く前にまず自分の考えについての自身の解像度が上がったり、あるいは自分の考え自体がアップデートされて、対話より手前の部分でも結構面白いことが起こっている。 そして、自分の考えとその背景をしっかり捉えた上で相手の話に耳を傾けていくと、相手の言葉の表面的なところに反射的に反応してしまうのではなく、より深いところまで受け取ることができている気がする。

聴けない、困ったという時に、自分の外側に聴けない原因を見出そうとするのではなく、まずは自分自身に目を向け、自分のメンタルモデルを理解した上で、相手の話に耳を傾けていく。そんな風にして対話から新たな価値を見いだしていけるといいな。