鯨飲馬食

いろいろつまみ食いで勉強したことのメモ書き

「世界一流エンジニアの思考法」を読んで

2023年も終わろうとしている大晦日の午後、牛尾剛さんの「世界一流エンジニアの思考法」を読み終えました。読み始めたのは11月だったようです。チームでおすすめの本を紹介し合う会をやった時に4人中2人がおすすめしていて、残り2人のうち1人の私は買ったけどまだ読み始めてないと言っていた記憶があります。

「自分がやったからといって、理解できてるとは限らない」(第3章)で、最初、今年エンジニアになったばかりの同僚が、「担当したタスクをやるだけじゃなく、立ち止まって理解深めておこうと思ってる」と言っていたのを思い浮かべたのだけど、次の瞬間、これって今の自分も同じ状況なのではって思った。ボスとの面談で、マネージャーになって日が浅いのにチーム運営できてるねって言われてモヤっとしたのはこれだなと。たまたま上手くいってるけど、何がポイントなのか分かってないし、説明もできない。自分は全然理解できていないんだ。

昔からの夢だったプログラマになった牛尾さんとは逆に、プログラマを長くやってきてマネージャーにロールチェンジした私ですが、目の前のやることをなんとかするのでいっぱいいっぱいで、理解をすることに対しての意識が弱まっていた。来年は気を取り直して深掘り、言語化して理解深めていこう。

「税金で買った本」を読んだ

同僚が面白いって言ってたので既刊の9巻まで読みました。面白かったです。

magazine.yanmaga.jp

なかなか見る機会のない図書館の中のことが知れるのも興味深いのですが、通して読んで印象に残ったのは、同じ状況であっても、立場から来る視点の違いや切り取られ方で、人によって見え方がこうも違うのかというシーンがたくさん盛り込まれている点。そうやって誤解やすれ違いが生じるのね、とか、先入観に囚われて相手のこと誤解してしまうの怖いな、とか思いながら読みました。

蔵書点検の話も出てきますが、高校生だった時に図書部の合宿と称して、学校の図書室で泊まり込みで蔵書点検したことを思い出しました。はるか昔の話ですが。

タミフルを飲んでいる

先々週の週末家族2人がインフルエンザA型陽性となり、家事と看病のため出社せず在宅でお仕事していた先週の後半、自分も調子悪くなってきたので仕事を早退、翌朝お医者さんに診てもらいました。

医院の駐車場に車を停めて電話で症状を説明して車で待っていると先生が来て診察してくれました。私の前にも先生と看護師の方が駐車場の別の車を何台も回っているのが見えて、「感染リスクあるし、何よりも時間かかるし大変だよな、頭上がらないわー」って思っていると私の番が回ってきて、家族がインフルエンザの診断だったこと、夜に熱が出ていたことと症状から、検査なしでインフルエンザの診断で薬を処方してもらえました。

これ、もし検査してたら結果待ちの後また診察してもらうことになってさらに時間がかかっていただろうし、検査したところで偽陰性もあるので検査結果によらず結局インフルエンザの薬を処方となっていただろうし、先生と看護師さんの限られた時間を何に向けるかを考え判断して動かれているんだなと思いました。

自分のお仕事である継続的なプロダクト開発の仕事で、いろんな事が起こる中、自分や周囲のメンバーの時間を何に向けるとよさそうか考えて行動を選択していることと、今回観察したお医者さんのお仕事の間には共通点があることに気付き、何か真似できる要素はないかな?って思いながら療養する週末でした。*1

*1:優先度高いものはWIP=1で一つ一つ判断していくこと、やったところで最終判断に影響しない検証はスキップ、とかは同じようなことやってるなって思った

「高校数学の基礎が150分でわかる本」で学び直した

米田優峻さんの「高校数学の基礎が150分でわかる本」を読みました。分量はかなり絞りつつ、ひとつひとつの概念を丁寧に説明されていて理解が進みそうという感触。興味をひく実用例がたくさん入っていて、帯に書かれている言葉に偽りなしでした。

今日は高校生の息子と二人で中部国際空港に飛行機を眺めに行っていたので、三角比のところで飛行機の話が出ていたいう話をしたらそれは既知だったようですが、他にもいろいろ面白い例が出ていたことを伝えると、帰りの電車で「ちょっと貸して」と言って読んでました。

元々、息子から「数学を学んで何の役に立つの?」と聞かれた時に答える材料を仕入れておこうという不純な動機を少し持ちつつ読んでいたのですが、彼にも興味を持ってもらえたし、私自身でもChapter 10の相関係数は習ったことなかったので新たに学ぶことができてよかったです。

吉祥寺.pm34【オンライン】に参加した

kichijojipm.connpass.com

昨日は、吉祥寺.pm に初めて参加した。 Perl Mongers への参加はmiyagawaさんがplaggerの話をしに来たKansai.pm (Plagger World Tour in 大阪: blog.bulknews.net)以来で17年ぶり2回目だと思う(たぶん)。大阪のオフィスに出社していたのでダッシュで(?)三重のおうちに帰ってきてなんとか開始に間に合わせた。

「コミュニケーションとプロトコル」のテーマでパソコン通信の話から始まって人工衛星の話、エンジニアリングマネージャーの話など、多岐に渡る興味深い話が聞けて楽しい会でした!

1on1の目的の確認、かつては新しいメンバーとの1on1を始める時と、期が変わったタイミングでやるようにしていたのだが、今の部署に異動してからやっていないことにはたと気づいたので、今日やった1on1の一コマでやってみた。ちょうど期が変わったタイミング(から1ヶ月経っちゃっているけど)なので、他のメンバーとの1on1でも順次確認していこう。

挨拶するとか感謝を伝えるとか、基本的なコミュニケーションは本当に本当に大事だと思うので忘れないようにする。

「観察力の鍛え方」を読みつつ思ったこと

佐渡島庸平さんの本「観察力の鍛え方」を読んだ。いろいろ考えながら読んでしまったので、書かれていることをしっかり観察できていない気がとてもしている。思ったことをここで書き出して、ちょっと間を置いてもう一度読み直してみようと思う。

ここしばらく、会議や1on1の前に一人で準備の時間を取るようにしているが、対話の中でそれを表に出すかどうかに関わらず、仮説を手元に持っておくことで、相手の話をより深く聞くことができるのを実感している。

仮説は「自分としてはこう思う」という、内から外へ向かう流れなのがポイントな気がする。外から内へ向かってくる相手の話は自身にとっては異物であり、それをそのまま受け入れるのは難しいことがある。相手の言葉を一旦受け止め、それを自分の内から外へ向かう仮説に沿わせて脳内再生し、一致点、相違点を意識していくことで、拒絶反応を抑えて冷静に観察できるのだと思う。

「思ってたのと違う」と感じることを歓迎できるかどうか。それにより、同じものを観察していてもズレに気付けるか、見逃してしまうかが変わってくる。間違うことを怖がっていると、知らず知らずのうちに目を逸らしてしまってズレを見逃すことがある。

自分は間違うのを怖がることはあまりないと思うが、コンディションに依っては楽しめない気分の時はあって、そういう時もギャップを見逃さないように必死にしがみつこうとしちゃいがちだと思った。見逃すことを怖いと思っているのかな。

怖さにコントロールされているのは楽しくない感じがするので無理しないようにしよう。気分乗らない時は見逃しOKとしよう。

言語化により、見えやすくなる部分がある一方で、逆に見えにくくなってしまう部分が出るというのは興味深かった。

感情は記録に残らず、後世の人が理解することはできないけれど、感情が歴史を変えてきたと言われると、そうなのかもと思う。感情のように、見えないけど今この瞬間に存在しているものに気づいていけると面白そう。

自分の視点からはあいまいに見えていても、相手の視点からは違った見え方してるかもしれないと思えるようになって、あいまいなことをあいまいなまま受け入れること、最近少しだけできるようになったと思っている。

相手の視点でどう見えてるのか、知りたいと思い問いかけはする。だけど、相手が見ているものが全部見えるようになるわけじゃないし、こちらの見方を押し付けて、見えていたものを見えなくしてしまったら元も子もないので、ほどほどにしておくのが吉と思っている。

対話を効果的にするには、まず自身に目を向ける

「ダイアローグ 価値を生み出す組織に変わる対話の技術」を読んだ。対話を効果的にするためには傾聴、すなわち相手の話に耳を傾けることが大事ということはよく聞くが、その前に、まずは自身に目を向けるステップがあるとより効果的になるということを知れた。

自分の経験を通して形成されたメンタルモデルに当てはまらない何かとの遭遇は驚き、違和感といった反応を生じ、それが悪い方に働くと、相手の話を聴くことができなくなってしまう。逆にこの驚きや違和感を、不都合ではなく歓迎すべきものと見做せると、新しい価値を生み出す対話へと繋がっていく。

まずは自分の考えの背後にある経験、感情、価値観に目を向けることで、自分自身と自分の考えの間に距離をとり、自分の考えとその背景を客観的に捉え直す(メタ認知)。その上で、相手の考えを一旦受け止め(評価判断の保留)、相手の考えの背後にある経験、感情、価値観に目を向け、問いかけ、相手のことを知っていく(傾聴)。

これ、実際やってみると、意外なものが自分の考えの背後にあるのに気付いたり、自信持って唱えていたはずの自分の意見を考え直した方が良いと気付けたり、相手の考えを聞く前にまず自分の考えについての自身の解像度が上がったり、あるいは自分の考え自体がアップデートされて、対話より手前の部分でも結構面白いことが起こっている。 そして、自分の考えとその背景をしっかり捉えた上で相手の話に耳を傾けていくと、相手の言葉の表面的なところに反射的に反応してしまうのではなく、より深いところまで受け取ることができている気がする。

聴けない、困ったという時に、自分の外側に聴けない原因を見出そうとするのではなく、まずは自分自身に目を向け、自分のメンタルモデルを理解した上で、相手の話に耳を傾けていく。そんな風にして対話から新たな価値を見いだしていけるといいな。