鯨飲馬食

いろいろつまみ食いで勉強したことのメモ書き

「LISTEN ー 知性豊かで創造力がある人になれる」を読んだ

本が手元に届いた時の第一印象は「分厚い」でした。目次を見ていくと確かに盛りだくさんの内容で、全部読み切れるのかといきなり自信喪失しかかり、まずは目次を眺めて気になったところをつまみ食い的に読んでみたところぐっと引き込まれ、だいぶ時間はかかりましたが最後まで読み切りました。

解決をしたいなら、相手の意見を聞くしかない(p180)

反対意見を聞くことは「相手の言うことを聞かねばならない」ことではない、という表題のChapter 7には、対話による課題の解決、合意形成のために聞くことについて書かれていました。自分とは異なる意見を相手が言ってきたときに、最後まで聞かずに反論したり、しっかり相手の言っていることを理解しようと聞けていないことはありがちだけど、良く聞くと実はたくさん共通点があったり、自分の意見と組み合わせることでより良い結論になることもある。このことは自分の経験上も確かにと思うんだけど、つい反射的に反応しちゃうんですよね。 「反対意見を聞くことは、人間にとって生理的に脅威を感じること」と書かれているように、怖いという思いが出るのは避けられないので、そうなった時に気を落ち着かせて、ちょっと聞いてみるかと思い直せるかどうか。

自分が話さなかったからこそ、価値のあることが聞ける(p399)

会話の中で沈黙が訪れた時に、それを埋めようと口を開いてしまい、相手の発話を妨げてしまったかも思うこと、これもよくある。やってしまってからしまったなーと思うことばかり。ここでは作曲家のグスタフ・マーラーの言葉「音楽の最高な部分は、音符の中には見つけられない」を引き合いに出して、いちばんいいところは沈黙から現れるので、間や沈黙を早く埋めてしまわずに、沈黙に注意を払うことが大事と書かれていた。沈黙してるのは、相手が言葉にならない何かを伝えようとしているかもしれないという考えに立って、焦らず観察する、とにかく待ってみる。

うわの空になるのは、「思考」が話よりも速いから(p162)

話を聞こう、沈黙を埋めずに待ってみよう、と思ってもなかなかできないことの理由の説明。いちばん会話を邪魔するのは「自分を次に何を話そうか」という心配、というのはまさにそれだなと思った。しっかり相手の話を聞きたいと思っていたのに、いつの間にか何を話そうかと考えてしまっていること、聞いたことを理解しようと考える中で、聞くことから意識が外れるのを抗えない時はある。そうなってしまったらできることは、「あ、うわの空になってるわ」と気付いたら素早く「聞く」ことに戻るくらいかな。

まとめ

他人の話を聞くことでどのような価値が得られるのか、聞くことができないのはどういう理由があるのかなど、「聞く」についての知見がぎゅっと詰まった本でした。人の話を聞くとき自分がどういう風にしていたかを思い出し、この先どういう風に聞いていくかを考えさせられました。学んだこと実践していこう。