やりたいと思っていたOSS Gate社内版の2回目を楽しく開催することができました。やったー!そちらの開催レポートは他の参加者の方が書いてくれそうなので、社内外のOSS Gateで何度かサポーターをやってみて感じたこと、やる中で悩んだことについて書きます。
サポーターについて
OSS GateワークショップはOSSの開発にまだ参加したことがない人が、おすすめのやり方に沿ってやってみることでOSSへのフィードバックを実際に体験し、OSSの開発に参加したことがある状態になっちゃおうという趣旨のイベントです。
- 主役はあくまでもOSS開発に参加したいと思ってるビギナー
- ビギナーの側でサポートして、体験の質を高めるのがサポーター
という建て付けで開催されるので、サポーターはすごい人じゃないと出来ないと思われがちです。特に弊社内でやったワークショップの二回目の会や、最近何度かの大阪のワークショップでは、サポーターは既に過去にこのワークショップを経験したことがある人だったので、サポーター向けの説明を端折り気味になっていた気がしますが、実はサポーターに向けてもおすすめのやり方がワークショップの資料に具体的に書かれていて、実は初参加の方でもサポーターをやれるようになっているんです!
- ビギナーと一緒に悩んであげよう
- →これでいいのかな、と最初不安なビギナーの側で、大丈夫だよと言う
- 自分が開発者ならこう読めると開発者視点を伝える
- →別の人から見ると、こういう誤解をするかも、という気付きを伝えてみる
- 自分が開発者ならこの報告をもらったらうれしい、と開発者視点を伝える
- →受け取る側のつもりになってみて、感じたことを正直に言ってみる
例えば普段はビギナー的な立ち位置だったとしても、普段と違うロールを演じてみることで一歩先の景色を見る体験ができるよう、まわりにサポートメンターやモデレーターを配置してさらなるサポート体制が組まれているのがこのワークショップの特徴です。(さらに言えばモデレーターについても、過去の動画があるのでそれを見て具体的なやり方を知り、あとはサポーターやサポートメンターに助けてもらいながら進めることができるようになっています)
サポーターをやってて悩んだこと
端的にいうと、どこまで言うべきか、どこまで言うのを我慢するかというので毎回とても悩みます。ビギナーの体験の質を高めることのポイントとして、
- とにかくやってみよう
- 自分でできたという実感を持とう
ということがあります。その場でOSSの開発に参加出来たとしても、今日はサポーターが居たからできた、明日からはサポーターが居ないから出来ないだと、このワークショップの期待値を十分に満たせてないことになります。なので、
- 転ぶ前に手を差し伸べるのでなく、行けるところまでは自由にさせてみる
- サポーターが答えだと思うことを教えるのではなく、ビギナーが自分で考えて自分で気付くよう仕向ける
といったことを意識するのですが、時間が限られていることの焦りから、ついつい手を出しすぎてしまっていることが多いなと反省してます。
直近の社内ワークショップで実際にあったこととしては、ビギナーが選んだドキュメントへのフィードバック内容を聞いて、
- 読み方の問題で、今の書き方で問題ないんじゃないのかなぁ
- でも、フィードバックを体験するなら、そのまま進めるべきなのかなぁ
の葛藤の末、ビギナーが「OSSを動かす」のフェーズで体験したことを
- 手順の通り進めてみる
- ひっかかってエラーメッセージを読む
- 手順の注釈とエラーメッセージを見比べて解決方法がわかる
の流れで再現してもらって、既に一度やってることとはいえそれほど困らずに解決できたのを見れたので、「そこまで困らなかったんじゃないですか?ドキュメントの記述がよいから困らなかったのでは?」という問いかけをして、別のフィードバックポイントがあるなら違う方で進めるのがいいかもと結局言っちゃいました。
幸いもう一つ見つけていたフィードバックポイントは客観的に見てドキュメントに不親切な点があると思えたのでそちらで進めて、結局時間内にフィードバック送信までは行けなかったのですが、ワークショップの直後にビギナーが自身でIssueを投稿されてた(自分の力でフィードバックできた!)ので、時間切れになったのも含めて素晴らしい結果に繋がりました!
というわけで
私はサポーターの立場でOSS Gateワークショップに何度か参加していますが、自信に満ち溢れた状態でやっているわけではなく、常に悩みながら参加して、悩みの中からいろんな学びを得ています。いい経験になっているので、これまでサポーターとして参加したことない人もやってみるといいと思います。オススメですよ!